同伴の断り方——角が立たない返し方と来店につなぐ一言

角が立たない同伴の断り方は、言い回しを選ぶ前に、何を断るのかを決めておくことから始まります。その日だけ都合が悪いのか、同伴の形が合わないのか、このお客様とは外で会いたくないのか。それによって、返す言葉も、その後の動き方も変わります。この記事では、その3つの断り方と、同伴ではない食事に誘われたときの返し方、ノルマのあるお店で店長に相談する言い方をまとめます。
お客様の誘い全般をやわらかく断る基本の型はお客様をやんわりお断りする言い方に、アフターの断り方はアフターの断り方——角を立てずに帰る7つのフレーズにあります。
まず「何を断るか」を決める
同伴の誘いを断りたい理由は、だいたい次のどれかです。
| 断りたいもの | よくある場面 | 返し方の方向 |
|---|---|---|
| その日だけ | 先約がある、出勤日ではない、当日に急に誘われた | 別の日をこちらから出す。当日なら、次は前もってとお願いする |
| 同伴の形 | 待ち合わせが早すぎる、知り合いの多い街、長いデートのような予定 | 時間や場所を変えて受ける |
| このお客様との同伴 | 外で2人になるのが不安、席での言動が気になる | 同伴は受けず、お店で会いたいと伝える |
| 同伴ではない食事 | 「お店に行く前じゃなくて、休みにご飯行こう」 | お店で会いたいと伝える |
ここがはっきりしないまま「今回はちょっと……」と返すと、お客様は日にちの問題だと受け取り、次の日を聞いてきます。それが続くと、断る側もだんだん苦しくなります。
その日だけ断る——別の日をこちらから出す
日にちが合わないだけなら、断るのと同じ返事の中で、別の日をこちらから出します。お客様に「じゃあいつならいいの?」と探させずに済み、断られた感じも残りにくくなります。
金曜、同伴どう?
誘ってくれてありがとうございます。金曜は出勤がなくて……。来週の水曜か木曜なら行けるんですけど、どうですか?
金曜がいいんだけどなあ
ごめんなさい、金曜はどうしても難しくて。木曜なら、ゆっくりご飯できます
当日になって「今日、同伴できる?」と来ることもあります。そのときは「今日は急なので難しくて。次は少し前に声をかけてもらえたらうれしいです」と返すと、次の誘い方も伝わります。
理由は、本当のことを短く言えば十分です。「その日は予定があって」で止めて、中身は話さなくて構いません。体調の悪さや家族の用事を作って理由にするのは、あとで話が合わなくなったり、心配されて連絡が増えたりするので、使わないほうが安全です。
形を変えて受ける——時間・場所を合わせ直す
同伴そのものは嫌ではないけれど、形が合わないときは、断るより形を変えて受けるほうが角は立ちません。
- 待ち合わせが早すぎる → 「その時間は難しいので、出勤の1時間前くらいからならうれしいです」
- 知り合いの多い街の飲食店 → 「お店の近くのほうが落ち着くので、あのあたりでもいいですか?」
- 長いデートのような予定 → 「出勤前なので、ご飯をゆっくり食べるくらいでもいいですか?」
- 食事の時間が取れない → 店前同伴(お店の近くで合流して、そのまま入店する形)にする
住んでいる街や昼の生活の場に近い場所は、断る理由として口にする必要もありません。「お店の近くのほうが落ち着く」と、場所の理由は伏せたまま変えてもらえます。お客様がもう予約していたら、「予約してくれたんですね、ありがとうございます」とお礼を伝えたうえで、合わなければ「今回は難しくて。誘ってくれたのにごめんなさい」と断っても構いません。次からは「お店の近くでもいいですか?」と、先に場所を伝えておきます。
時間や形を変える前に、同伴として数えられる条件(何時までに入店するか、店前同伴も1回に数えるか)をお店に確かめておきましょう。受けると決めたら、行き先と入店の予定時刻をLINEで店長か黒服に送っておき、お客様の車には乗らないようにします。車や個室の誘いの断り方は同伴で何を話す?待ち合わせから入店までの会話にあります。
このお客様とは同伴しない——お店で会いたいと伝える
外で2人になるのが不安なお客様や、席での言動が気になるお客様とは、同伴を受けなくて大丈夫です。そのときは日にちの話にせず、「お店で会うのがいちばん好き」という形で返します。
「なんで外はだめなの?」と聞かれたら、「お店で会うのがいちばん好きなんです」と同じ言葉を笑って繰り返せば十分です。理由を足していくほど、「じゃあこうすれば」と条件を出されやすくなります。それでも続くときは「ごめんなさい」で止めて、話題を変えます。席なら、お酒を作る、おしぼりを替えるなど、手を動かして区切りをつけます。
人は、一度したことに沿って動き続けようとする傾向があり、チャルディーニは影響力の原則の一つとして「一貫性」を挙げています。前に一度同伴したお客様から「前は行ってくれたのに」「一回行ったんだから、また行けるでしょ」と言われると断りにくく感じるのは、この働きを向けられているからだと説明できます。一度同伴したからといって、次も受けなければいけない決まりはありません。「前はありがとうございました。〇〇さんとは、お店でゆっくりお話しする時間がいちばん好きで」と、前の時間は大切にしながら、同じ言葉で返します。
同伴ではない、お休みの日の食事に誘われたときの返し方は、自分がどうしているかで変わります。
- お休みの日にどのお客様とも会っていない → 「お休みの日は、お客様とは会わないようにしているんです。お店でなら、いつでも待ってます」。本当のことなので、どのお客様にも同じ線で使えます
- お休みの日に会っているお客様もいる → 上の言い方は使わず、「お休みの日はちょっと難しくて。お店で会えたらうれしいです」と、断りと希望だけを伝える
お店の外で会っている間は、お店の目が届きません。誘いが続く、強引になる、というときは、やりもく客の見極め方と対処——安全に距離を取るを参考に、早めに店長に伝えておきましょう。
ノルマのあるお店で断るとき——店長に先に相談する
同伴ノルマがあると、「断ったら回数が足りなくなる」と思って、気の進まない誘いまで受けてしまいがちです。ノルマの数え方や届かなかったときの扱いの確かめ方は、同伴を増やす方法——誘う相手と間隔の決め方にまとめています。この記事で足しておきたいのは、このお客様とは同伴しないと決めたら、店長に先に相談しておくことです。
お店が事情を知っていれば、お客様が店長に「同伴を断られた」と話したときも、席の付け方を考えてもらえます。切り出すときは、報告より相談の形のほうが言いやすくなります。
店長、〇〇さんから同伴に誘われているんですけど、外で2人になるのが少し不安で。どう返したらいいか相談させてください
一回行ってみたら? 売上になるし
同伴じゃなくて、お店に来てもらうほうでがんばります。今月の回数は、ほかのお客様で調整してみます
それでも押されたら、「〇〇さんとは、お店でお話しするほうが私には合っていると思っていて。このことは〇〇さんには伝えないでもらえますか」と、相手の評価ではなく自分との合う合わないで伝えます。万一お客様に伝わっても、相手の評価の話ではないので角が立ちにくくなります。外で2人になるのが不安な相手との同伴を受ける必要はありません。席ではほかのキャストと一緒に付けてもらう、といった形もお願いできます。言いにくいときは、先輩や黒服に先に聞く、LINEで短く伝える、でも構いません。
ノルマに届かなかったことで罰金や給料からの天引きがあると言われたら、その扱いが認められるかを一度確かめてみてください。確かめ方と相談先はキャバクラの罰金・天引きは違法?に、ノルマそのものがきついときの対処はキャバ嬢のノルマがきつい——原因別の対処法と店への伝え方にあります。
よくある質問
Q. 断る理由をしつこく聞かれたら、どこまで話せばいいですか?
最初に伝えた一言以上のことは話さなくて大丈夫です。重ねて聞かれたら、「ごめんなさい、ちょっと言えなくて」と笑って、話をお客様のほうに戻します。理由を細かく話すほど、「じゃあこの日なら」と別の日を探され、断りにくくなります。
Q. 断ったら、お客様がお店に来なくなりませんか?
来なくなるお客様もいるかもしれません。ただ、お店に来てくれる理由は同伴だけではありません。断ったあとも、次に来てくれたときに「来てくれてうれしいです」とはっきり伝え、席での時間を大事にしておけば、同伴をしなくても通ってくれるお客様もいます。来店のお礼の送り方はキャバ嬢・ラウンジ嬢の営業LINE例文——場面別と頻度も参考になります。
同伴の誘いが来たら、返事をする前に「その日だけか、形か、このお客様か」を一度決めてみてください。決まっていれば、返す言葉は短くて済みます。迷う相手のときは、返事の前に店長に一言相談しておくと安心です。


