接客・トーク術

やりもく客の見極め方と対処——早めに気づいて、安全に距離を取る

体目的のお客様は、指名や同伴につながっているように見えて、ある地点から急に態度が変わります。この記事では、早い段階で気づくためのサイン、売上を落とさずに線を引く言い方、そして「これ以上は付き合わない」と決めたときの動き方を、順番にまとめます。


早めに気づくためのサイン

一つ当てはまったからといって決めつける必要はありません。ただ、短い期間にいくつも重なるときは、店内での関係を目的にしていない可能性が高くなります。

  • 席についてすぐ、彼氏の有無・ひとり暮らしかどうか・終電の時間を聞いてくる
  • お店での話より「外で会おう」の話が早い。二人きりの場所を具体的に挙げてくる
  • 「他の子には言わないでね」と、関係を店の外に閉じようとする
  • 指名や同伴には消極的なのに、個人LINEやSNSは強く求める
  • 断ったときに、金額の話を持ち出す(「これだけ使ってるのに」)

最初の一手は「断る」ではなく「ずらす」

いきなり拒否すると、相手のプライドを刺激して面倒になることがあります。序盤は否定せずに、話の場所を店内に戻すのがいちばん角が立ちません。

早い段階での正面からの拒否は、相手のプライドを刺激して逆に火をつけることがあります。「行けない」ではなく「ここがいい」と言い換えるだけで、断りではなく好みの表明になります。何度か繰り返すと、たいていの方はそれ以上は踏み込んできません。

お客様

今度ふたりで飲みに行かない?

ありがとうございます、うれしいです

ただ、お店の外だと緊張しちゃうタイプで…ここで会えるのがいちばん楽しいです

お客様

そっか、じゃあまた来るよ


ずらしても引かないときは、はっきり線を引く

二度・三度と同じ話が続くなら、遠回しな断りは「まだ可能性がある」と受け取られています。ここからは曖昧にしないほうが安全です。

「していません」という言い方が効きます。あなたの気持ちの問題ではなく、そういう決まりで働いているという形になるので、相手も引きやすくなります。ここで嫌な顔をされたとしても、それはこちらの落ち度ではありません。


ひとりで抱えない——黒服とお店に共有しておく

これがいちばん大事なところです。しつこいお客様は、キャストが個人で対応している間だけしつこくいられます。お店が把握した時点で、多くは静かになります。

  • ボーイや黒服に「あの席、外の話が続いています」と一言入れておく
  • 卓の担当を変えてもらう、他のキャストとの同席にしてもらう
  • 執拗なら、お店から注意してもらう。改善しなければ出入りをお断りしてもらう

お店にとっても、キャストが辞める理由になるお客様を放置する利益はありません。言いにくければ「相談」ではなく「共有」の形にすると切り出しやすくなります。

○番卓のお客様、外で会う話が3回くらい続いています

いまは流せてますが、一応共有だけしておきますね

黒服

了解、次から様子見るね。しんどかったら卓替わるよ


危ないと感じたときの動き方

ここは接客の技術ではなく、身の安全の話です。引っ張るかどうかより優先します。

  • **送りは店の車・タクシーを使い、自宅の前では降りない。**一本手前で降りる習慣にしておくと、いざというとき困りません
  • **同伴やアフターは、個室や車の中など二人きりで密室になる場所を避ける。**人目のある店を選ぶ
  • **飲み物から目を離さない。**席を立ったら、戻ってきたグラスは飲まない
  • **SNSは源氏名と本名の生活を完全に分ける。**写真の背景・最寄り駅・行きつけの店が特定の材料になります
  • つきまとい・待ち伏せ・執拗な連絡が続くなら、**ストーカー規制法の対象になり得ます。**お店に伝えたうえで、警察相談専用電話 #9110 に相談してください(緊急時は110番)

よくある質問

Q. 線を引いたら指名がなくなりそうで怖いです。

体目的の方は、どのみち目的が果たされないと分かった時点で離れていきます。そこで失う売上は、もともと長続きしない売上です。むしろ早く分かったほうが、その時間を他のお客様に使えます。実際、線を引いたあとも「話が面白いから」と通い続ける方は一定数います。

Q. 断ったあとに悪口を広められないか心配です。

お店に先に共有しておくことが、いちばんの予防になります。あなたから先に事実が伝わっていれば、後から何を言われても状況は正しく理解されます。これも「ひとりで抱えない」が効く理由のひとつです。伝え方の具体的な形は痛客への接客の「お店に上げるときは、感情ではなく事実で」にまとめてあります。


見極めのコツは、態度そのものより話の向かう先を見ることです。会話が店の中で完結しているか、外へ外へと引っ張られているか。そこだけ意識していると、驚くほど早い段階で分かるようになります。分かったら、ずらす。それでも来たら、線を引く。そして必ず、お店と共有する。この順番を持っておけば、慌てずに済みます。

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